ミスター・オクトーバー・ランを探して

高校野球も選抜枠がほぼ決まり、日本シリーズもたけなわ。
そして間もなくワールドシリーズも開始。

昂揚と「もうすぐ2015シーズンも終わりか」という哀惜が交錯する。

先日のアメリカンリーグ優勝決定シリーズ、ブルージェイズ対ロイヤルズをなにげなくテレビで見ていると、野球ファンを「おぉ~!」とうならせるワンプレイがあった。

3敗で後が無いブルージェイズは8回表、バティスタがこの試合2本目のホームランを放ち追いつく。そして雨による長めの中断明け、8回裏の攻撃。

間が空いて入りが難しかったのか、ブルージェイズのクローザー、オスーナが先頭打者を四球で出す。続く4番ホズマーが右翼線にヒット。打球を抑えた右翼バティスタが二塁進塁を防ぐためセカンドへ送球。しかし!一塁ランナー、ロレンゾ・ケーンは一気に三塁を蹴りホームへ!

これが決勝点となり、ロイヤルズがWS進出を決めた。

私世代のシニアファンが思い起こすのが、1987年の日本シリーズ第6戦8回裏、二死一塁、センター前ヒットで、辻発彦が一挙のホームを陥れた伝説の走塁。巨人クロマティの緩慢な送球を西武・井原サードコーチ(後の埼玉西武監督)が衝き、決定的な1点を奪った。このシリーズを決めるワンプレイでもあり「球界の盟主交代」を告げるワンプレイでもあった。

今年の日本シリーズでも、ホークスの隙の無い走塁が光っている。

第1戦4回裏。松田の本塁打で先制した後、連打のワンアウト一塁二塁から、続く今宮のセンター前ヒットでセカンドランナー中村は、中堅上田の好返球で本塁憤死。
しかし、上田の送球がカットを経ないダイレクトであったため、一塁ランナー吉村は躊躇せずセカンドを回りサードへ。この後、高谷の内野安打で生還する。

高谷の内野安打は確かにラッキーだったが、それを勝利へ結びつける「必然の走塁」があった。

続く第二戦では、6回裏、福田のタイムリーで二塁ランナー今宮が生還し追加点をあげた場面、サードを狙った一塁ランナー高谷を、今度は中継からの切り返しでヤクルトが刺している。

この布石が今後の試合、どう作用するか?
確かなのは、全てが「想定し練習されたプレイ」だったということだ。

プロ野球の世界は、我々凡人が考える遙か斜め上のレベルで繰り広げられるかけひきと技術のせめぎ合い。まさに神の領域に限りなく近い、しかし人間が織りなす攻防だ。

「層が厚い」「強すぎる」と評されるソフトバンクだが、それは、我々の想像を超える競争と、努力と、そしてマネジメントと、闘志が積み重なった結果である。

ヤクルトだって、セリーグを制した実力を侮ってはいけない。
今年6月6日の交流戦、ホークス対ジャイアンツ。2点差の8回裏二死一二塁、アンダーソンの右中間二塁打で、栁田の返球をやや外野寄りに受け、助走をつけて本塁送球。一塁ランナー大田を本塁封殺し同点を防いだのはセカンド川島。前年までヤクルトの選手だった。

ホークスのサードコーチはヤクルト黄金時代の一角、飯田哲也。投手コーチも同じく吉井理人。

ちなみに、先ほどの1987年の第6戦。西武のピッチャーは工藤で、前の第五戦をリリーフで勝利に導き、この試合完投勝利。胴上げ投手となった。
そして、くだんのプレイでヒットを打ったのは、前監督、秋山幸二である。

今年のミスターオクトーバーは誰だ!
素人は素人なりに、野球は深く、面白い!
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